第14回コラム / 三重県の美しい場所美し国「伊勢志摩」
伊勢志摩とは伊勢神宮と志摩半島という2大観光地とその周辺のことをさします。
伊勢神宮の正式名称は「神宮」。
しかしながら、他の神宮と区別しやすいように地名をつけ伊勢神宮と呼ばれるようになりました。
神宮には、皇室の御祖先を神と仰ぎ、日本人の大御祖神(おおみおやがみ)として崇敬を集める天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りする内宮を中心に
125の宮社全てをふくめて神宮といいます。
神宮にまつわる有名な神話として「天岩戸神話」があります。天照大御神が弟神の素戔嗚尊(すさのおのみこと)の悪行に悲しみ天岩戸の中にこもり世界は光を失いさまざまな災いがおこったが、神々が相談のすえ天岩戸の前で神楽などを舞い楽しそうにしていると、それを見ようと天照大御神が岩戸を少し明けた所を押し開き、世界は再び光りを取り戻したというお話です。これは万物に光明をもたらす太陽にも称えらえる天照大御神の偉大なご神徳をなぞらえた物語です。
不思議なことに神宮から530 km離れた場所にその続きが伝承されています。
押し開き放り投げた岩戸は長野県長野市北西部にまで飛ばされたそうです。その岩戸が現在の戸隠山の姿になったと言われています。その山を中心に天岩戸を開いた際に功績があった神々をまつる戸隠神社が建立されたとされています。
神話はその場所だけではなく広く伝承されるのですね。
賢島を含む英虞湾がある志摩。
英虞湾は国内のリアス式海岸として有名な場所です。さまざまな形の島や半島が入り組み複雑な海岸線を作っています。展望台から望むその夕景は、空と海がオレンジに染まる中、さらに海岸線を引き立たせます。それは時の流れを緩やかに感じさせるほどの美しさです。
また、「英虞湾は真珠のふるさと」といわれています。その歴史は古く、奈良時代から天然真珠を産出する海でした。1893年に世界で最初に英虞湾で真珠養殖を成功させたのが御木本幸吉です。
ただ当初は半円にしかならず、真円の真珠の生産を確立させたのが西川藤吉、見瀬辰平たちでした。養殖真珠は天然真珠とまったく違いがない事を認められました。その後、世界に進出しヨーロッパ勢に取って代わり、世界の9割のシェアを誇るようになりました。
その美しい場所、伊勢志摩は2016年5月26・27日に開催される
第42回先進国首脳会議(通称:伊勢志摩サミット)に選ばれました。
選出された理由として、
1、四方を水に囲まれた狭隘な島であり、人の出入制限が容易に可能なこと
2、陸伝いの侵入攻撃を避けられること
3、三重県警察が伊勢神宮を参拝する要人警護の経験が豊富なこと
などが挙げられており、賢島が風光明媚なこともさることながら警備面を重視した選定となったようです。
また、もう一つの大きな理由として、
「伊勢神宮の凜(りん)とした独特な空気を外国首脳にも感じてもらいたい。日本の精神性に触れていただくには大変よい場所だ」という首相の強い意向があったとの事です。
美し国「伊勢志摩」。美しい場所を望みながら悠久の時に思いを馳せるのも良い場所ですね。
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