第15回コラム / スポーツ「アスリートの名言」

   4年に1度、世界中の人々が注目し感動を分かち合うスポーツの祭典「オリンピック」「パラリンピック」。
2016年の舞台は、ブラジル「リオ・デ・ジャネイロ」です。
「オリンピック」は現地時間の8月5日 午後6時に開会式が開催され、12日間にわたるアスリートたちの熱い戦いが繰り広げられます。また、「パラリンピック」の開会式は現地時間の9月7日となっています。
   オリンピックでは、それぞれのスポーツの頂点を極めたトップアスリート達が集まりますが、彼らはどんな思いを持って練習に取り組み、そして試合に臨んでいるのでしょうか?日本のトップアスリートの名言から、それらを紐解きたいと思います。


『紙一重の薄さも、重ねれば本の厚さになる』

これは、「東京」「メキシコ」「ミュンヘン」と3回のオリンピックに連続出場したマラソンランナー 君原健二選手の言葉です。彼はメキシコオリンピックで銀メダルを獲得しました。しかしながら、決してエリート選手ではなかったそうです。マラソンの練習を始めた頃は、設定タイムをクリアすることもできなかったといいます。そこで君原選手は練習方法を考え、必ずコースの外側を走ることにしました。するとトラック一周につき、およそ6メートル多く走ることになります。それをほかの選手と同じタイムで走れるようにすれば、実際には6メートルリードしたことになるのです。
6メートルの差は小さいですが、 何周も何日も何年も続ければ大きな差となります。君原選手の強さは、こうした工夫と努力の賜物だったのです。


『できることを出し惜しみしてやっていてもつまらない。それは、一生懸命ではない』

「ソチ」オリンピック フィギュアスケート男子シングルで日本人初(アジア人でも初)となる金メダルを獲得した羽生結弦選手の言葉です。彼は小学生の頃から負けず嫌いで、何をするにしても自分ができないと「絶対に一番になってやる」と思い、練習に取り組んできたそうです。勝ち気で貪欲と思われることが多い彼ですが、演技終了後の呼吸がかなり荒いことをお気づきでしょうか。実は、彼は幼少の頃から喘息を患っているのです。スケートを始めたきっかけも病気を克服することでした。しかし彼は、練習がどんなに辛くてもそれを言い訳にせず、「自分にできないことはない」「自分に負けたくない」という強い思いで世界の頂点まで駆け上がったのです。それでもそこで満足せずに、常に今の自分のビジョンと照らし合わせ、最高のパフォーマンスはまだ先にあると考える貪欲な姿勢も、強さの秘訣かも知れません。


オリンピック選手以外にも、現役のトップアスリートの名言もご紹介します。


『人の数字を目指しているときは限界より手前を目指している可能性があるが、自分の数字を目指すのは、常に限界への挑戦なのです』

メジャーリーグ「マーリンズ」のイチロー選手が「挑戦」について語った言葉。彼は、2016年6月に日米通算での歴代最多安打記録(4,257本)を達成し、同年7月にはメジャーリーグ通算3,000本安打に迫るなど、数々の大記録を打ち立てています。
彼の言葉は「目標は、他人が決めた数字ではなく自分の限界にある」ということ。
努力に努力を重ねた結果、天才アスリートと言われるようになったイチロー選手の言葉は重く、人の心を動かす力があるのではないでしょうか。

最後に、トップアスリートが座右の銘としていることで有名な言葉をご紹介します。

『何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く』
※恩師の中沢正仁氏(高校教諭)から高橋尚子選手に贈られた言葉。(語源:元・三洋電機の副社長 後藤清一氏)


「シドニー」オリンピック 女子マラソンで優勝ゴールテープを切った高橋尚子選手が座右の銘としている言葉です。彼女の金メダル獲得は、日本陸上界64年ぶり(戦後初)であるとともに、日本女子陸上界においては史上初でした。しかしながら、彼女はこの大記録に対して、「金メダルも世界記録もすごいと思いません。それより目標を達成した喜びが大きいです」と語りました。"何をやってもうまくいかないようなときは、今は花が咲く時期ではないのだと気持ちを切り替え、地道に努力していれば、やがては地上に大きな花を咲かすことができる"といった座右の銘の意味する通り「基礎体力・基礎能力をつけることに専念し大舞台で優勝する」といった結果を出す事が、目標であり喜びだったのでしょう。

   トップアスリートの名言から読み取れる姿勢や思考は、私たちの日常に当てはめ考えると、直面した壁を超える為の糸口になるかもしれません。目標がある毎日は、人生をより豊かに輝かせるものになるでしょう。
   目標を見つけ一歩踏み出そうと思った時、彼らの言葉を思い返してみてはいかがでしょうか。

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Praiseが考える「美しいもの」とは…
「美しい」という基準は人それぞれです。モノ、絵画、写真などに込められた笑顔や風景など世界には美しいものが溢れています。しかしながら、そのどれもが、すべての人に美しいと評される事はありません。Praiseが考える「美しい」とは、より多くの人が心穏やかに素敵だと共感できるものだと思います。Praiseの伝えたい「美しい」が多くの皆様に共感していただけたら幸いです。

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