第18回コラム / 美しい植物

「新鮮な花を選ぶ」

 住まいに美しい花や植物があるだけで、部屋がパッと明るくなり、見慣れた毎日がちょっと特別なものにかわります。
 はじめに、切花の選び方です。美しい花を長く楽しむため、鮮度の良い花を選定しましょう。ポイントは、茎がしっかりしているもの、また、いきいきとした葉も、鮮度が良い証拠です。 固くて小さなつぼみは避け、ふっくらしているものを選びましょう。
 切花を買ってきたら、ハサミで茎の根元を斜めに切ります。斜めに切ることで断面の面積が広くなり、植物がより多くの水分を吸収します。余分な葉を取り除いたら、さっそく花瓶に生けてみましょう。

「花瓶に生ける」

 初心者でも手軽に、そして美しく花を飾れる花瓶のひとつが、デンマーク王室御用達のブランド「ホルムガード」のフローラ。フローラは、底が広く安定感がある一方、花を差す口が細くなっているのが特徴です。切花を挿せば、花が自然と上を向くため、一輪挿しでも美しく仕上がります。
 またフィンランドのデザイナーアルヴァ・アールトがデザインしたガラスの花瓶「アアルト・ベース」は、美しい曲線が印象的です。 まるで空に浮かぶ雲のような美しいフォルムは丘の上から見下ろした、フィンランドの美しい湖をイメージしてデザインされました。 美しい曲線のおかげで、花瓶を置く場所や見る角度によってまったく違う表情を見せてくれることも、アアルト・ベースの魅力です。

「花を装飾する」

 次に、切花として楽しんだ花を装飾加工して飾るのも素敵です。今、注目を集めているのが「スワッグ」です。スワッグとはドイツ語で「壁飾り」という意味です。
 装飾加工といっても、スワッグの作り方はとても簡単。花を束にして、それを吊るすだけ。規則正しく花を並べずいろんな花をミックスし、あえて不揃いにしても、味が出ます。生花(せいか)からドライフラワーになるまでの変化も楽しみながら長く飾れるのもうれしいところ。
 スワッグを作るのに必要なものは好きな花(植物)と紐、そしてハサミだけ。植物を重ねるように束ね、しっかりと結びます。結び目がゆるいと、ドライフラワーになった時、枝が細くなり、抜けてしまうことがあります。あとは、お好みで、リボンなどで装飾をして完成です。作る時のコツは、ふわっと空気を含ませながら束ねること。そして扇型ではなく、根元と先端がすぼまる様な、アーモンド型を意識して形をつくるとより美しく仕上がります。

「小さな大自然を創る」

 最後に、切花とは全く違う趣向として女性に人気が出てきているのが「盆栽」です。
盆栽というと、堅苦しく、敷居が高い趣味というイメージがあるかもしれません。しかしながら最近ではマンションのベランダなどで盆栽を育てる人が増え「盆栽女子」「盆栽ガール」という言葉が生まれたほどブームになっているようです。
 盆栽は、小さな鉢の中に、壮大な自然の景色を創り出す芸術作品。枝ぶりや葉、幹の肌、根、そして姿全体を鑑賞して楽しみます。絵画、彫刻などとは違い、四季を通して、自然が織り成す美しい変化を感じることができるのが盆栽の魅力です。
 さらに、「ボンサイ」が世界共通語となるなど、盆栽は国や世代を超えて、緑のアートとして注目を集めています。小さな鉢の中に大自然を作る盆栽はとても奥が深い芸術です。
 盆栽の名品の一つとして有名なのは、さいたま市「大宮盆栽博物館」が所蔵する樹齢1000年の松「青龍(せいりゅう)」です。巨大な龍が体をくねらせがら空に昇っていくような姿をしています。盆栽では、樹齢と関係なく古さを感じせる木を、「古い色」と書いて「古色(こしょく)がある」と言います。 「青龍」のまるで龍の鱗のような幹の質感は、古色そのもの。幹の所々にある白い部分は、すでに枯れているところですが、腐ることなく白く残った幹は仏の骨を意味する「舎利(しゃり)」と呼ばれ、珍重されています。古い木は、人が手入れすることで、いっそう古色を増していきます。枯れた幹や枝は、放っておくと、その多くが腐ってしまいます。盆栽職人は、まず汚れた部分を丁寧に取り除き、白く美しい舎利に変えていくのです。何年もかけて作り上げる芸術作品ですね。

 住まいに花や緑、そして自然を取り入れて、鑑賞だけではなく暮らしを豊にする趣味として取り入れてみるのも良いかもしれませんね。

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Praiseが考える「美しいもの」とは…
「美しい」という基準は人それぞれです。モノ、絵画、写真などに込められた笑顔や風景など世界には美しいものが溢れています。しかしながら、そのどれもが、すべての人に美しいと評される事はありません。Praiseが考える「美しい」とは、より多くの人が心穏やかに素敵だと共感できるものだと思います。Praiseの伝えたい「美しい」が多くの皆様に共感していただけたら幸いです。

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